Text 空間生命化ワークショップ

2009/3/4 | 児玉 哲彦 | [] [] [] [] [] []

資料表紙所属する日本建築学会 情報システム技術委員会 空間生命化デザインWGにおいて、ワークショップを開催しました。建築・都市における情報技術に取り組む多彩な研究者が集まり、会場が満員になる盛況でした。

参考リンク:Motoe Lab, TU「空間生命化デザインワークショップ

基調講演として、宇宙エレベーターの提唱者である東大のアニリール・セルカン先生が、最近の研究テーマであるインフラフリー建築についての発表を行いました。まずは家庭内のエネルギーの利用状況に対してより効率的な設備の利用方法を推薦するシステムの開発に取り組んでいるとのこと。

同じく、パナソニックシステム創造研究所の山本尚明さんにも、家の内部と外部がシステム的に結合することで実現する住宅の未来像、およびケーススタディとして壁面を丸ごとディスプレイとして様々なアプリケーションを実現したフューチャーライフウォール(下、動画)についてのお話を頂きました。

ディスカッションにおいては、興味深いことにデータ構造やシステム構成といった、情報アーキテクチャの部分に質問が集中しました。特に、自律移動ロボットやモバイルなどの分散型のシステムと、空間に組み込んだインフラ型のシステムのどちらが優勢になるかについて議論が行われました。もちろんどちらが正しいというものではなく、目的とコストに応じて最適解を探る必要があります。

もう一点の議論は、ユビキタス研究における最大の課題だと思いますが、収集したデータからいかにコンテクストを定義付けるかについてです。私の研究は、明瞭で納得可能なコンテクストを見つけ出し、決め打ちでアプリケーションを作るという方法論で、まずはこのようなアプローチを採るべきという意見でセルカン先生と一致しました。ただし長期的には、コンテクストがデータから動的・自律的に形成されるようなアプローチも求められるでしょう。

生命においてはシステムが階層化され、下部構造のミクロな動きが結果的に上部の構造を発現させています。またDNAは同じデータ量で複雑さの異なる生物をコーディングしています。慶應の三田先生が、このような生命の持つ情報アーキテクチャを、私達の暮らす環境へ導入する可能性を提案されていました。

東北大の本江先生からは、建築スケールの話が多いので、都市スケールについての考えを問われました。(私自身は、利用者の得るアフォーダンスから空間のスケールをセグメンテーションするべきで、特に情報システムによって可能になる新たなアフォーダンスを考慮して環境をデザインを行うことが必要と答えました。)

ーーこのように、非常に突っ込んだ議論がなされた充実した会議でした。今後もこのコミュニティで活動して行くことが楽しみです。

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