学びのポートフォリオを作る

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上の写真は、アメリカに住んでいた頃の小学校のノートです。ノートといっても黒板を写すのではなく、作文や絵日記、写真などをまとめていきます。僕が越したのは幼稚園の上の方だったので、最初は英語に苦労しました。このノートをめくっていると、だんだん英語が使えるようになっていく過程がよくわかり、懐かしい気持ちになります。

このようなポートフォリオを用いた学習が、日本の小学校でも総合的な学習の時間において行われています。教科書の知識を覚えるだけではないプロジェクト学習の一環として、やはり一冊のポートフォリオを作り、成績もそのポートフォリオを通して付けられます。他にも、看護や医療の分野でも、ポートフォリオを用いた学習が注目されているようです。(たとえば鈴木敏恵さんによる取り組みなど。)

教育や看護のような人間を相手にする事柄は、元々数字でベンチマークするのに適していないのだと思います。ポートフォリオ学習が優れているのは、学習者が主体的に考えて取り組んだ内容を表現し、教える側がそのプロセスを評価できることです。また学習者自身も、ポートフォリオを通して自分の活動を振り返り、自分の成してきたことを確認できると同時に、どこへ向かっていくかを考えることができます。このように、表現することは、学んだことを身につけるうえで本来欠かせないものなのです。

そのような考えから、僕は今でも、このブログやiPhoneに入れたデモビデオをポートフォリオとして用いて、自分の成果を人に伝えています。コンピュータは、うまく使えば優れたポートフォリオを実現することができます。今はまだスキルや多くの手間を必要としますが、例えば小学生でも簡単に扱えるようなポートフォリオ学習システムができたら素晴らしいでしょう。

ワイヤレスジャパン2009レポート

有明の空

日本最大のワイヤレス&モバイルの見本市、ワイヤレスジャパン2009を見てきました。

今回の見所は、やはりAndroidとARでした。一方でソフトバンクモバイルのブースがなく、iPhoneの出展がないのがやや寂しいです。 Continue reading “ワイヤレスジャパン2009レポート”

Locoscape(ロコスケープ)の新規性についての補足

昨日の毎日新聞の記事を受けて、あの限られた紙幅の内容だけでは、セカイカメラ等のAR系のアプリケーションと比べてどこに新規性があるのか、という疑問を当然持たれると思います。

そこで、デモビデオとともに、Locoscapeのインタフェースの特徴について説明しておきたいと思います。

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5年前を振り返り、5年後のユビキタスを妄想する

情報家電とAndroid
5年前、近傍無線通信、大型タッチパネル、姿勢センサーを備えたスマートモバイルデバイスの登場を予想し、DataJockeyなどを作っていました。今や、iPhoneやAndroidケータイによって、そのような環境は現実のものとなりました。

しかし研究者というのは因果なもの、今度はこれからの5年間に起こる変化を考えていかなければなりません。恵太君上野君とメシを食いながら、そんな話をしていました。 Continue reading “5年前を振り返り、5年後のユビキタスを妄想する”

思考停止の国の僕ら-石川県の小中学生携帯所持規制条例-

小中学生の携帯所持規制 保護者に努力義務 石川県条例

石川県では、自民党会派が中心になって進めた条例の改正で、小中学生に防災や防犯以外の目的で携帯電話を持たせないようにする保護者の努力義務を盛り込んだそうです。直接のきっかけとしては、サイトへの書き込みに腹を立てた高校生が相手をバットで殴る事件が発生したからだとか。

それなら、6歳でプログラミングを始め、中学校でパソコン通信やインターネットにハマり、高校では学校近くのISDN公衆電話でネットに接続していた僕なんかは、きっとそのせいでスポイルされて今のようになったのでしょうね 😛

公立の小中学校が荒れているという話はよく耳にするし、現場の教育者の方は裏サイトやネットでの嫌がらせに頭を悩ませていることは事実なのでしょう。

それでも、あえて言いたい。こんなの大きなお世話以外のなにものでもないでしょう。 Continue reading “思考停止の国の僕ら-石川県の小中学生携帯所持規制条例-“