この日本という国は、昨今イノベーションを起こす力を失っているのではないか。そして、その理由の一つとして、様々な既得権益を守るための制度や規制の存在が影響を及ぼしているのではないか。このような問題意識の下、慶應大学SFCでは、イノベーションが実現しやすい社会の実現と、そのための政策提言を目指す研究会を立ち上げる。
今回のORFでは、その提唱者である國領先生と金正勲先生、および賛同者である楽天社長の三木谷氏と、現慶應大学特別招聘教授の夏野剛氏によるトークセッション「イノベーションは止められない」を開催した。
詳細はFuture Insightというサイトにログがまとめられていたのでそちらに譲るが、とても共感できる議論だった。特に印象的だったのは、村井先生の、インターネットを普及させた経験に基づくイノベーションに関する楽観論だった。例え既存の規制の下でグレーでも、ベネフィットがあれば社会はそれを受け入れてくれる。
何より大事なことは、イノベーションを形にして、社会にベネフィットを提供していくことなのだと思う。それを続けていけば、社会一般および行政の方が後からついてくる。そんな世界になっているのだ。
慶應SFCは、今でも理想を語れる大学あり続けている。このセッションだけでなく、ORF全体を通じて、それを実感することができて嬉しかった。