ソニーへのオープンレター:ユーザは情報機器のプラットフォーム価値を求めている

SONY

はじめに

本エントリーでは、これまでの研究、および多くのソニー製品を利用するユーザとして、ソニーの製品開発の現状について感じることを述べる。これはソニーの外からの一ユーザとしての視点に過ぎず、おそらく社内の皆様にとっては釈迦に説法であったり誤りと思われる内容も含んでいるであろう点をあらかじめお詫びしつつ、多くの優れた製品を生み出してきたソニーの事業の状況への、ユーザの視点からの意見を表明する。 Continue reading “ソニーへのオープンレター:ユーザは情報機器のプラットフォーム価値を求めている”

ユビキタスからEmbedded Webへ

ユビキタスの父Mark Weiser

ユビキタスの課題

最近、ユビキタス・コンピューティングという言葉をメディア等で耳にしましたか?日本でも2000年頃からユビキタスの研究は盛り上がりを見せ、2004年から国のu-Japan政策も始まり、僕達のような研究者は盛んにその可能性を追求してきました。

その頃考えられていた、あらゆるデバイスがネットワークに繋がり、環境がインテリジェントに振る舞うといったような世界は、まだ実現していません。90年代に盛んに研究されたマルチタッチなどのナチュラルインタフェースが最近になってようやく実用化されたように、ユビキタスの研究成果も実用化されるまでにはもう少し時間がかかるのでしょう。

ただし、ユビキタス環境が実現するうえでは、二点ほど大きな課題があります。まず、すでに多くの人が利用しているPCやケータイを除くと、ネットワーク接続機能のあるデバイスは広く普及していません。ハードウェアのリプレースはコストがかさむため、ソフトウェアやサービスと比べて普及に時間がかかります。また、より根本的な問題として、ユビキタスによる利便性が多くの人にとってわかりにくく、そのコストを納得させられるようなものでなかったことが挙げられるでしょう。 Continue reading “ユビキタスからEmbedded Webへ”

2009年を振り返って1:AndroidとモバイルARとLocoscape

今年は、会社を辞めて大学に戻るところから始まりました。ほとんどゼロというかマイナスからスタートした一年でしたが、結果的にはこれまでで一番生産性の高い年になったので驚いています。今年の活動や出来事をまとめてみようと思います。 Continue reading “2009年を振り返って1:AndroidとモバイルARとLocoscape”

インタラクション・デザイナーのジレンマ:デザインは減点法

QWERTYキーボード私たちが普段使っているキーボードの配列は、左上からのキーの並びにちなんでQWERTY配列と呼ばれています。この配列の起源は古く、タイプライターの時代までさかのぼります。

このQWERTY配列、よく考えてみると母音の位置などもばらばらで、とても覚えやすい/打ちやすいとはいえません。タイプライターがなぜこのような配列になっていたかというと、タイプライターの個々のキーは打つと動いて文字を刻印するため、あまり早くタイプするとキーどうしが干渉してしまうため、わざとタイピングが遅くなるような配列になっているのです。

打ちやすさを考慮したDVORAKといった配列も提案されていますが、普及率は事実上ゼロです。タイプライターの時代の技術的な要請から使われるようになったQWERTY配列が、なぜ今日まで使われ続けているのでしょうか。 Continue reading “インタラクション・デザイナーのジレンマ:デザインは減点法”

MindNode:MacとiPhoneで快適なマインドマップ

MindNode頭の中に沸いてくることを整理するために、マインドマップを毎日のように使っています。これまでは新しいPCをセットアップすたびにFreeMindをインストールし、またiPhoneにはiThougtsを入れて活用していました。どちらも非常に使えるアプリケーションで、重宝していたのですが、なかなか完璧というわけにはいかず、

  • FreeMindがJavaアプリケーションのため標準的なUIでない
  • iThoughtsのWi-Fiを使った同期がやや面倒

という問題がありました。しかし、その両方を一挙に解決してくれる理想的なツールを見つけました。それがMindNodeです。 Continue reading “MindNode:MacとiPhoneで快適なマインドマップ”