Silicon Valley Day 1:到着

5/19〜31の13日間、シリコンバレーを訪問しています。自分でも意外なことに初めてです。なにか今までは、まだ準備ができてないような、そのまま行ったら飲み込まれてしまいそうな気がして。博士号の取得を機に、来ることにしました。幸い、前から関心のある研究機関や企業、また今面白そうなベンチャーにいろいろとアポが取れ、お邪魔してきます。毎日が濃密になりそうなので、今回は(なるべく)即日更新の方向で行きます。 Continue reading “Silicon Valley Day 1:到着”

ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質


サブプライム問題に端を発した世界金融危機において、誰もが疑問を持ちました。アメリカの金融工学は最先端で、徹底したリスク管理ができているはずなのに、なぜこれだけの破綻が起きたのか、と。

サブプライム問題が顕在化する前の2006年に出版されたのに、その理由である現代の金融工学や経済学の誤りを鮮やかに指摘するのが、デリバティブ・トレーダーにして研究者のナシーム・ニコラス・タレブによる「ブラック・スワン」です。

本書は、ただの経済書ではありません。むしろ、複雑化する社会における、人間の認知と思考の限界を示す、重要な哲学書です。この10年に読んだあらゆる本の中で最大の知的刺激に、まだ興奮が収まりません。
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SiCKOに見るアメリカ社会の再生への希望

アメリカでは“Change”を標榜するオバマ氏がもうすぐ大統領に就任します。今回のオバマの地滑り的な勝利は、政治?企業?マスコミが結託した、新自由主義という名の強欲資本主義に対する、アメリカ国民の明確な「ノー」だと言えます。

アメリカの社会は、今や危機的な状況にあります。中流層の崩壊と一部企業経営者への富の集中を導いたモラル・ハザードが、内外におけるアメリカの力を弱めています。そのような状況を、「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」等の作品を通じて笑いとともに告発し続けてきた一人のドキュメンタリー作家がマイケル・ムーアです。 Continue reading “SiCKOに見るアメリカ社会の再生への希望”