UIとスケーラビリティ

東京電機大学の戸辺先生と話していて。ユビキタスなシステムでは、システムのスケーラビリティが問題になります。一方、ユーザインタフェースについても、扱う物のサイズが変わってくれば、アフォーダンスが変わってきます。

iPodを考えてみましょう。iPhone / iPod Touch、次いでClassicやNano、最後に操作ボタンが一切なくなったShuffle。同じ会社の同じ製品ファミリーでありながら、いずれも全く異なったインタフェース(マルチタッチ、クリックホイール、リモコンボタン)が採用されています。その理由は、ディスプレイのサイズや記憶装置の違いに起因しています。

iPodファミリー

このように、扱う入出力装置のサイズや位置関係によって、適切な操作性は変わってきます。モバイルやユビキタスなサービスのインタフェースにも、スケーラビリティという概念が有効だと考えられます。

情報処理学会HCI研究会発表

13日に明治大学生田キャンパスで開催された、第132会情報処理学会HCI研究会Locoscapeを発表してきました。

概ねテーマには共感を持っていただけたようでした。中小路先生からは、今後の課題として現地にたどり着くことをいかに支援するか。中村先生からは、歩いている最中で使うための工夫はあるのか。湯浅先生からは、ズーミングした場合の一画面の情報量が多くなりすぎないかといったご質問をいただきました。増井さんにはAndroidで実際に動いているところを評価していただけました。

明大の北野大教授が、ゲスト講演としてリスクコミュニケーションについてお話しされました。それにしても弟さんに話し方が似ていて不思議な感じでした。
北野先生の講演

自分を中心に周辺情報をブラウズするLocoscape

最近取り組んでいる、Androidを用いた周辺情報ブラウズのためのシステム「Locoscape」を発表します。

Locoscapeでは、リクルート社のドコイク?ウェブサービスを用いたスポット情報、およびFlickrのジオタグ付き写真を、自分の現在地を中心とした表示でブラウジングすることができます。 Continue reading “自分を中心に周辺情報をブラウズするLocoscape”

Palm Preのビデオを見て:iPhoneとの設計思想の違い

CESプレスイベントの模様
CESプレスイベントの模様

Palm Preは、今年のCESで最も反響を呼んだニュースの一つです。

前のエントリーで述べた通り、一見するとiPhoneに触発されて開発された製品のように見えます。デザインにおいては強く影響を受けています。

しかし、Palmのサイトで公開されているCESでの発表の模様を見ると、見た目のインタフェースの奥に、それぞれの出自に基づく異なった設計思想が見て取れます。

それは、iPhoneはやはりiPodから発展したコンテンツプレーヤであるのに対して、Palm PreはPDAから進化したウェブ時代の情報オーガナイザーだということです。 Continue reading “Palm Preのビデオを見て:iPhoneとの設計思想の違い”

Palmの次世代スマートフォン

Palm Pre
Palmは初めて世界的にヒットしたPDAのメーカーで、その後はTreoによってスマートフォンの市場を拡大しました。現在に至るモバイルのトレンドを作ってきた企業ですが、最近はiPhoneやBlackBerryのヒットに押されてシェアを落としていました。

そのPalmが社運を賭けて開発したのが新しいPalm webOSであり、それを搭載した初のスマートフォンPalm Preです。

Gizmodoが大量のハンズオンビデオをアップしています。興味のある方はぜひ見てみてください。
Gizmodo: Palm Pre Full Video Tours
Engadget Japanese: 速報:Palm、新プラットフォームPalm Web OS、新スマートフォン Palm Preを発表
Engadget Japanese:Palm、新スマートフォン Palm Preを発表
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