2009年を振り返って1:AndroidとモバイルARとLocoscape

今年は、会社を辞めて大学に戻るところから始まりました。ほとんどゼロというかマイナスからスタートした一年でしたが、結果的にはこれまでで一番生産性の高い年になったので驚いています。今年の活動や出来事をまとめてみようと思います。

Androidの津波が来る

来年以降のIT・メディアの世界を考えるうえでも最大のトピックして、Androidを挙げたいと思います。ウェブ上で利用できる情報や行えるコミュニケーションのアイデアが頭打ちになる中、今後のイノベーションはリアルの世界の行動情報などがリアルタイムにネットに繋がってくることにあります。ところが、これまでは組み込み機器をウェブと結びつけるソフトウェアプラットフォームが確立していませんでした。

そこに、Androidが登場しました。Googleによるサポート、開発者が慣れているJavaによる開発が可能なリッチなライブラリ、WebkitをベースとしたHTML 5ブラウザ、Android Marketを通じた課金など、これまでウェブ開発者を組み込み機器の世界から遠ざけていた各種の障壁を一気に打ち崩すことに成功しました。以前のエントリー予想した通り、デジタルフォトフレーム型の端末や、電子ブックリーダーなど、スマートフォンに限定されずさまざまな機器でAndroidが搭載されるようになってきました。来年も、Androidのエコシステムは一層拡大し、ビジネスチャンスも広がるものと考えられます。僕も昨年末に開発者向けの実機が購入可能になった直後に一台買って、、いじり倒してきました。

モバイルARの実用化とその課題

iPhoneやAndroidのような高機能なスマートフォンのプラットフォームが普及する中で、リアルの世界とウェブを繋げる一つの方法論として、セカイカメラやLayrのようなモバイルARアプリケーションが次々とリリースされました。2009年はモバイルAR元年と言えます。ただし、ARには近くの場所の情報しかうまく扱えないという欠点があり、Layrなどでも結局地図と組み合わせて利用されています。

Locoscape

このような問題意識から、俯瞰地図とAR的な表示を連続的に結びつけ、自分の周りの広いエリアを端末の傾きによって直感的にブラウズすることのできるLocoscapeインタフェースを提案し、Android上に実装しました。6月に青森市で実証実験を行い、毎日新聞などにも取り上げられました。また、いろいろなところで発表を行い、特にヒューマンインタフェースシンポジウム2009では53件のでも発表の中から優秀プレゼンテーション賞に選んでいただきました。今後、実際の製品でLocoscapeのインタフェースが応用されていくよう取り組んでいきます。

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