この結果は「始まりの終わり」に過ぎない

第二次世界大戦でイギリスを率いて勝利に導いたチャーチル首相は、北アフリカでのドイツ軍に対する勝利に酔う国民に対し、

これは終わりではない。終わりの始まりですらない。しかし、もしかしたら、始まりの終わりかもしれない。

という有名な演説を行いました。

今回の選挙での国民の選択は、民主党に対する積極的な支持ではなく、右肩上がりの経済成長の終焉に伴い、50年間続いた55年体制をようやく終わらせたに過ぎません。

民主党は、経済・労働・教育に関する構造改革戦略の不在、トップの金銭疑惑、安全保障に関する党内および社民党との不一致、新人議員の大量当選による党内政治力学の揺らぎなど、あらゆる問題を抱えたまま政権運営を行うことになります。衆院の2/3を上回る勢力が必ずしも安定した政権運営を実現しないことは、いみじくも自公政権が証明してくれました。

ただし、今回の選挙をきっかけに日本の政治は大きく動きました。そして、この変化の風は後戻りすることなく、さらなる変化をもたらす「始まりの終わり」となるでしょう。