Palmの次世代スマートフォン

Palm Pre
Palmは初めて世界的にヒットしたPDAのメーカーで、その後はTreoによってスマートフォンの市場を拡大しました。現在に至るモバイルのトレンドを作ってきた企業ですが、最近はiPhoneやBlackBerryのヒットに押されてシェアを落としていました。

そのPalmが社運を賭けて開発したのが新しいPalm webOSであり、それを搭載した初のスマートフォンPalm Preです。

Gizmodoが大量のハンズオンビデオをアップしています。興味のある方はぜひ見てみてください。
Gizmodo: Palm Pre Full Video Tours
Engadget Japanese: 速報:Palm、新プラットフォームPalm Web OS、新スマートフォン Palm Preを発表
Engadget Japanese:Palm、新スマートフォン Palm Preを発表

ユーザエクスペリエンス

まず特徴的なのは、マルチタッチ、加速度センサ、スライドキーボードの組み合わせによる現代的なインタフェースです。iPhoneの強い影響を受けていますが、デモビデオを見る限り非常に洗練されており、かつスムーズに動いています。

webOS独自の特徴としては、「カード」と呼ばれるウィンドウシステムが挙げられます。iPhoneのSafariのタブ操作に似て、個々のアプリケーションウィンドウは横並びのカードとして管理や移動ができます。iPhoneのアプリケーション間の移動は、いちいちホーム画面に戻らねばならず煩雑なことを考えると、これは大きなアドバンテージです。

カード表示
カード表示

また、無接点充電が採用されているようです。

無接点充電器(Engadgetより)
無接点充電器(Engadgetより)

様々なデータの一元化

モバイル・ネットワーク環境においては、様々な経路やソースのデータを統合的に扱うことは大きな問題でした。

Palm webOSでは、Palm Synergyと呼ばれるテクノロジーにより、Microsoft Exchange・Google・Facebookなどのソースからの、コンタクト・カレンダー・メール・チャットなどの情報が自動的に統合され、システム全体を一度に検索する、一つのカレンダーとして表示する、一人の相手との複数の経路によるチャットをまとめて表示するといった機能を実現しているそうです。

メッセージの一括表示
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アプリケーション開発

独自プラットフォームの一つの問題は、普及しなければそのプラットフォームでアプリケーションが開発されないことです。Engadgetの記事によれば、OSの機能を用いたアプリケーションをHTML・XML・Javascriptで作成できるそうです。これが本当ならば、多くのアプリケーションのリリースが期待できます。

感想

iPhoneの登場以来、新しい技術を搭載したモバイル機器が次々と発表されています。

かつてPalm m515、Sony CLIEなど、Palmプラットフォームの優れたPDAを使っており、モバイルの研究も最初CLIEで行っていました。“Zen of Palm”と称されるPalmの優れたデザインフィロソフィーの下に、先進的な機能を満載にしたこの新製品のリリースには、とてもワクワクさせられます。