みんなでAndroid Dev Phone 1を買おう

Android Dev Phone 1
Android Dev Phone 1
Googleは、モバイル市場への尖兵として、Androidプラットホームを開発しました。現在、アメリカにおいてHTCから1機種(T-mobile G1)が発売されています。

iPhoneなどのスマートフォンと直接競合しますが、大きなアドバンテージはとてもオープンな開発環境が提供されていることです。SDKは誰でもダウンロードして利用でき、アプリケーションを公開するためのデベロッパー登録も面倒な審査はありません。また、多くのプログラマが慣れ親しんでいるJavaでコーディングできます。GPSや加速度計、電子コンパスなど、自分の研究に必要なセンサー情報に自由にアクセスできます。

開発を行おうと思えば、実機を用いたくなるのが人情ですが、日本ではまだAndroidケータイが発売されていません。今回、Googleから、開発者向けにSIMロックフリーのAndroid Dev Phone 1が発売されたので、早速購入してみました。

購入の流れ

購入にあたっては、まずAndroid Marketへの登録を行う必要があります。年間25ドルの登録料がかかります。登録は即座に完了できます。

登録が済むと、http://android.brightstarcorp.com/にて
購入が可能になります。購入できる台数はアカウントあたり1台に制限されています。本への送料込みで、508.55ドルでした。到着までは5日しかかかりませんでした。

アクティベーション

iPhone SIMカード
iPhone SIMカード

利用を始めるには、ドコモかソフトバンクのケータイのSIMを使ってアクティベーションを行う必要があります。iPhoneのSIMを使いました。SIMを挿し、電源を入れます。わかりにくかったのが、APNの設定です。利用許諾を承諾した上で、表示される画面でMENUボタンを押すと、APNの設定が可能になります。collective metaの記事を参考に、ソフトバンクの設定をしました。
後は画面に従って操作していくと…無事完了しました!

データ通信料の割引や定額が適用されるか怪しいので、アクティベーションが完了した時点でSIMを抜いて、Wi-Fiのみで使うようにしました。

Androidの使用感

ハードは報道されているG1と同等です。通常時は、記事などでよく見るホーム画面が表示されています。ここからアプリケーションを起動できます。

通常の操作は、タッチスクリーンかトラックボールで行います。トラックボールでの操作は思いのほか良くできており、画面上の要素を選択→トラックボールを押し込む、という操作で、大抵の操作を行うことができます(すべてではありません)。スクリーンを手の脂で汚さずに操作できるのは嬉しい。タッチスクリーンで操作する場合でも、メニューや戻るといったハードキーの操作が必要となります。

文字入力には、ハードの大きな特徴であるスライド式のQWERTYキーボードを用います。キーは小さいですが、キータッチはそこそこ良好です。特徴的な点としては、検索を呼び出すキーがあること。どんな場面でもキーワード検索を使ってほしいというGoogleの意図を感じます。また、カーソルキーはなく、トラックボールを使用します。また、まだ日本語入力はできません。

タッチパネル、ハードキー、トラックボール、キーボードのそれぞれの使い勝手はわりと良いですが、問題は上述のように場面によって使うインタフェースが異なるため、一貫性に欠ける印象を受けます。

また、ソフトウェアのインタフェースはアプリケーションごとにバラバラで、統一感はありません。アプリケーション開発者の自由に委ねるという方針のようです。

OSのカーネルやミドルウェアなど、各種のローレベルなシステムは、オープンソースなどのオープンな手法で高品質なものができることが実証されています。一方で、インタフェース等のユーザエクスペリエンスについては、Appleや任天堂のように、クローズドなベンダーが統一されたポリシーに基づくデザインを行ったほうが一般的には良い結果が得られます。歴史的には、例えばBe OSがこのようなオープンなポリシーを取りましたが、芳しい結果はもたらしませんでした。その意味で、Googleのこの方針には、やや不安を覚えます。

今後の展望

Eclipseの開発環境も構築し、これから開発を行っていきます。モバイルの研究用のハードとしては非常に優れています。そのような関心のある方は、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。数を集めてシェアできれば、より幅の広いサービスが考えられると思うので。