今年の夏は暑かった。あまりに暑い日は、冷房の効いた映画館が一番、というわけでもないが、たくさんの映画を観た。
山崎ナオコーラの原作は、共感できる恋愛観をしっかりと描いた瑞々しい小説だった。長編デビューとなる井口奈己監督による映画版は、原作の持つ恋愛観がすっかり抜け落ちている。またこの撮影や音のクオリティの低さはどうにかならないものか。画面の水平くらいきちんと取ってから公開してほしい。ぴあフィルムフェスティバル上がりの監督は大概ロクな映画を撮らない(塚本晋也を除く)。俳優はそれぞれみな魅力的。
同じくPFFで世に出た、「ハッシュ!」で知られる橋口亮輔監督の最新作は、生真面目すぎて鬱病になる妻・木村多江を暖かく支える法廷画家の夫・リリー・フランキー。この監督の才能は確かだと思う。研ぎかけで散らかされた米や、ひっくり返った鍋のようなディテールが、突き刺さる。その迫真さに比べると、ハッピーエンドへ繋がる終盤はややヌルい。作り手の人の良さが才能にブレーキをかけている。
「ポ〜ニョポ〜ニョポニョ」とつい口ずさんでしまったら、あなたもこの映画の虜。宮崎駿監督の久しぶりの純粋な子供向け映画は、必ずしも評判は良くないようだが、個人的には大傑作。超絶アニメーションに酔いしれればよし。
今年最も期待していた映画。脅威の逆転時間脚本「メメント」で衝撃のデビューを果たし、「バットマン・ビギンズ」で才能の確かさを見せつけたクリスチャン・ベール監督によるシリーズの続編。故ヒース・レジャーの強烈な演技をはじめとして、前評判に違わぬ、アメコミ映画の枠に収まらない衝撃作。だってあの人があんなことに!ハリウッドの底力を見せられる、must seeです。
森博嗣のストーリーのトリッキーさ、セリフ回し、迫力の空戦シーンも、どうもチグハグ。とても押井守の映画とは思えない。大丈夫か。救いは谷原章介のトキノくらい。
ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ボン・ジュノという希代の奇才3人が東京を舞台としたオムニバスを撮ったというので、期待して観たが。。ゴンドリーはただの阿呆映画、カラックスは国辱もの。ボン・ジュノの香川照之×蒼井優の引きこもり映画だけは優れて「映画」している。この街のアクチュアリティを映画にするのは彼らの才能を持ってしても難しいようだ。
スカイクロラ、俺普通に感動しちゃったけどw
映画といえば少し前の映画だけど、クローバーフィールドのDVDが出るな。あれはいろんな意味で感動した。
クローバーフィールド、凄い映画だよね。賛否両論あるのはわかるけど、俺は好き。バッドエンドでなくてもよかった気がするけど。
911のトラウマを乗り越え、映画への愛でテロリストへの復讐を果たした。そこに感動した。>クローバーフィールド