秋葉原電気街のための、携帯電話を用いた街のソーシャル・ブックマーク・サービス。携帯電話で店頭に設置したQRコードを作成し、自らの訪れたルートを記録、マップ化できる。作成したマップ、携帯電話の中で編集し、サービスの他の利用者と共有することができる。
実施場所:東京都千代田区 秋葉原電気街
実施期間:2005/12〜2006/12
サービス運用 2006/12/19〜26
スタッフ
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背景とコンセプト
秋葉原電気街は、世界でも広くその名を知られる商業地である。電気製品/IT/オタクコンテンツの一大消費地となっている。近年は、都が主導した再開発事業により、秋葉原クロスフィールド やヨドバシAkiba、つくばエクスプレスの開業などに伴い、アクセスや利便性が向上し、買い物客だけでなく多くの観光客も訪れている。一方、ボトムアップに、時に法的なグレーゾーンもはらみながら形成されたその出自から、電気街は時に来街者にとって利用しにくい街でもある。清水による行動調査によると、特に街に慣れておらず、マップ等の情報を持っていない来街者は、駅の東西のトリップが 乏しいことが明らかになった。つまり、再開発地域やヨドバシアキバと、これまでの中央通りを中心とする電気街との間で、人の流れが分断されてしまう可能性がある。こうした問題は、秋葉原の都市構造上
- 街区の全体構造
- テンポ、ランドマーク等個別のスポット
- 看板等のサイン
といった情報から構成される土地勘を持つことが難しいため生じていると考えられる。 このような背景のもと、Studio+iのメンバ−のうち慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの三宅研究室、渡邊研究室、安村研究室、また外部のデザイナーらのチームにより、モバイル機器を用いて適切な情報の共有を行い、秋葉原の土地勘を身につけることを支援するシステムの開発を行った。
システム詳細
ここHOREアキバは、携帯電話で用いるウェブサービスである。電気街の来街者が自らの訪れたスポット、具体的にはテンポを記録し、ルートマップを作成し、他の来街者と共有することを可能にする。
まず、ここHOREの加盟店舗には、このような犬のキャラクターのオブジェが置かれている。この犬はサービスのイメージキャラクター「アキバ犬」である。犬の側面にはQRコードが設置されており、携帯電話のカメラで撮影することでそのスポットをマーキングできる。マーキング時にはコメントやフロアなどの情報も入力できる。
マーキングしたスポットは、ルートとして地図上に表示できる。この地図表示では、キーパッドを用いて上下左右のスクロールと連録的なズームが可能である。
自らの作成したルートの編集も、ここHOREを用いて携帯電話だけで可能である。マーキングしたスポットの追加や削除、順序の入れ替え、タイトル/コメント/タグの付与などを行うことができる。編集したルートは、公開することで他の利用者から閲覧できる。
公開されているルートは、上述のようなルートに含まれる情報を用い、
- 最後に訪れたスポットを含むルート
- タイトルとコメントのフリーワード
- タグ一覧
を用いた検索を行うことができる。
使用技術
携帯電話上のフロントエンドは、Adobe Flash lite 1.1を用いて実装されている。サーバ側は、Apache/PHP/PostgreSQL/そのGIS機能拡張であるPostGISによって構成されている。
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